もう一声!

こんにちは、工場です。

今日はこの冬一番の寒さと言われています。乾燥もひどく空気がパリパリです。扱っているものがものなだけに火の用心への心配りをしませんと。

さて、私がいつも通院しています病院は、駐輪場がありませんので、自転車はなんとなくガードレールに寄せてみなさん停めています。

違反行為なのでしょうが、言い訳をしますと、禁止の看板も見当たりませんし、街路樹よりも引っ込んでいて通行の妨げにもなっていなさそうですし、慣習というか今まで特にとがめられたことがないのをイイコトに停めていました。

すると、先日こんなものが自転車に…

DSC_2382 ありゃ!何年も通っていて初めてです。

秋の紅葉シーズンでピリピリしている時期なのかもしれません。趣味ではなく生活の足のママチャリですので、持って行かれたらとても困ります。

ですがこの貼られた警告シールを見ながら、もうちょっと、ねぇ、と思いました。

悪いのは私だというのは揺るぎようがない事実ですが、もし近くに駐輪場があるならその地図でも一緒に貼っておくとか、発展性のある注意の仕方をしてくれたらいいのに、と思うのです。

ネットで調べろ!という意見もあるでしょうが、全員がそのスキルがあるわけではありません。公共交通機関といっても京都は交通インフラがショボいので、それだけで目的地に行くのは案外大変です。

どんなことでも、いきなりダメとか反対とか頭ごなしに言うだけではなく、解決案や代替案などでスマートにルールを守らせる方向もあるのではないでしょうか?

プロ選手に作るフレームでも、不幸にして合わないこともあります。その時に「いや、ポジションをこうしたら」とか「これを使ってみたら」とかの「あと一声」があると、その後の関係性がぜんぜん違います。

いきなり「撤去するぞ、コラ」ではなく、もうあと一声を。いや、でもルール違反をして悪いのは私なんですけどね…(反省)

Pink,Pink…Pink!

こんにちは、工場です。

こんなに天気が良く気持ちがいい日に薄暗い工場で仕事というのは、罰ゲームのようです。

ですが、ここしばらくは表より屋内の方が明るいかもしれません。と言うのも…

DSC_2372 DSC_2375 こんな車体が!

オーダーフレームですが、前後車輪もフレームと同じ色でとのご要望でこうなりました。

ガンウェルのオリジナルカーボンリムを塗装しています。通常はヘッドマークのGがリム面にあるのですが、オーダー主の強いご要望で特別仕様のGWマークです。

DSC_2374 88ミリとなるとなかなかの存在感です。

店内で組み付けていますと、ご来店された誰もが「!!!」な反応をされます。私も今まで数多くのフレームを見てきましたが、ここまで目をひくのはなかなかありません。

DSC_2379 バックヤードでもこの存在感。

この自転車のおかげで、しばらくは室内でも戸外にも負けない明るさでした。これは「嫁入り前」の最後のショットです。どうか末永くかわいがってもらえますように。

 

本日の作業は…

こんにちは、工場です。

「チタンフレーム」と検索しましたら、メガネのフレームが数多くヒットしまして、「フレーム」と言っても色々だなぁと改めて思いました。

さて、本日持ち込まれた「修理」ですが、こちらもパイプは使いますが自転車フレームではなく机の脚です。

DSC_2359 横に渡っている脚がとれたようです。

近江八幡にある営業部門から持ち込まれました。

脚がとれている、とのことですが、そもそも折りたたみに重要なレールから突起部分がはずれてしまっています。脚以前の問題です。パイプが歪んで危険なのでこれも直しましょう。

DSC_2362 本来このレールの中に入っていなくてはなりません。

DSC_2363 リューターで穴を拡張、金槌でたたいて直しました。

人生もそうですが、一度レールをはずれると元に戻すのはなかなか大変です。

さて本題の脚の取り付けです。火を入れるので、塗装やさびはとらなくてはなりません。しかも燃えやすい木の天板がついているので、気を遣います。

DSC_2364 しっかりと養生をして…

料理もそうですが、下準備が一番たいへんです。

DSC_2365 剥離剤を塗ります。

小春日和のおかげか、ぷくぷくと塗装膜の浮き上がりも早いです。

DSC_2366 ブラシを使ってこそぎ落とします。

さてこれでいよいよロウ付け準備完了です。いつもと違う作業内容にすでに腰が痛いです。

DSC_2367 保護のフラックスを塗って…

DSC_2368 つけました。

風と部材のすきまが天敵のロウ付け。戸外の作業は辛いものがあります。

DSC_2369 さあ次々まいりましょう。

手塚治のマンガ、ブラックジャックに、一度に20人のオペをした話がありました。ブラックジャックほどではありませんが、一度に8箇所のロウ付けです。時間はすでに午後。風が出てきまして、天候との戦いでもあります。

しかもガスホースの長さが足りないので、向きや体勢を変えながら必死です。

DSC_2370 養生を取り、フラックスをブラシで落とします。

本来お湯や薬剤で落とすのですが、大物すぎてできません。作業の合間に来客もあったので、終わったころには夕方になっていました。

ここでブラックジャックでしたら「代金は3千万ですぜ、ふふ。」という展開ですが、そんなことを言ったら、机の脚どころか私の机が明日からなくなりますので、腰をさすりながら一服しました。やれやれ。

 

秋まっさかり!

こんにちは、工場です。

ふだんは「登りは変態がするもの」と決め込み、もっぱら平地が専門ですが、こう連日「紅葉が見ごろです」と騒がれますと、ついつい苦手な山も出かける気分になります。

♪ 京都ぉ~大原、三千院♪ の大原か、高雄か迷いまして、前日までは両方行くというプランを立てていましたが、当日グズグズしてしまいまして結局高雄だけになりました。

ちなみに大原と高雄は正反対なので、両方行くには私にとっては壮大な円を描かないとなりません。

高雄に行くには、どうせ通り道だし嵐山を抜けて行きましょう♪ などと思ったのが間違い。今日は地球の終わりなのか、というような大パニックの激混みです。さすが有名観光地、大失敗です。ですがとにかく抜けて、20分も走るとすでにこんな感じです。

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10月の後半は雨ばかりの毎日でしたので、どうかなぁ~と期待しないで来ましたが、なかなか見事です。

いつもは閑散としている高雄も、さすがにこの季節は車、人、観光バスと大賑わいです。

山の枯れたにおいと、冬特有の緊張感がある空気(と言ってもこの日は8度もありました)、そして紅葉に黄葉と、とても気持ち良かったです。

DSC_2344 奇跡的に車が途切れて、シャッターチャンス!

フットカバーもなく走るのは、これが限界かなぁ、と思いつつ下りました。

紅葉の名所として名高い高雄。思いついたらすぐ止まれる自転車は、紅葉狩りに最もぜいたくな乗り物だと思いました。

ちなみに、高雄のさらに奥の美山まで脚を伸ばしたのですが、トンネルを抜けるごとに秋ではなく冬になっていまして、寒さと寂しさが倍増したのですぐに引き返しました。

市内の激混み名所は苦手な方は、こちらにお出かけされてはいかがでしょうか。

大丈夫ですよ~

こんにちは、工場です。

日が暮れるのも早くなり、すっかり寒くなりましたね。工場の若者H君はまだ半そでですが、私は長そではもちろんネックウォーマーまでしています。

さて、今日ご来店されたお客様とお話していましたら、クロモリフレームを見て、「こんなに細くて強度は大丈夫なんですか?」と聞かれました。

確かに今時の大口径のフレームを見慣れていますと、1インチパイプは25.4ミリ、感覚的にわかりやすいセンチで言えばたった2.5センチのパイプですから頼りなく見えます。太いところでさえ2.8センチですから。

DSC_2298 左がトップチューブ、右がシートとダウンチューブです。

肉厚もこれは0.5ミリしかありません。不安になるのもわかるような気がします。

プロ選手が乗るとぐわんぐわんとしなっていて、正直「やめてぇぇぇ!」と言いたくなることもありますが、折れたことはありません。

雪が積もっても折れない竹ではありませんが、クロモリはしなっても折れません。(もちろん絶対とは言えませんが)見た目以上に丈夫ですので、どうぞ安心してお乗りくださいね。

工場もモコモコ着込んでいる私より、半そでのH君の方が頑丈です。

マシマシのカラカラ

こんにちは、工場です。

このタイトルに反応された方は間違いなくラーメン二郎のファン、「ジロリアン」ですね。

私も女性の友人に嫌がられても好きです。

なんのことだかわからない方に、一応ご説明を。

東京を中心にラーメン二郎という有名店があるのですが、独特な雰囲気とラーメンのビジュアル?とジロリアンと呼ばれる濃いお客さんで、その味以上に話題が尽きないお店です。

何店舗かありますので、すべてにこれが通じるとは限らないのですが、注文するときに油やにんにくを増量することを「マシ」と表現します。「マシマシ」にすると公共交通機関に乗ることがはばかれる臭いを発します。家族がこの「マシマシ」をした後に帰宅しますと、軽い殺意を覚えます。

辛味を効かせるのは「カラ」「カラカラ」です。関係ないですが、京都の言葉も「暑い暑い」とか「さぶいさぶい」とか重ねて言います。二郎風です。

さて今回「マシマシ」のご依頼をいただきました。

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ヘッドラグの上部分がかさ増しされています。ヘッドに剛性を出したいとか、ステムを思いっきり引き上げて使いたいとか理由は分かれますが、一応合法の範囲内の細工です。

一方BBパーツですが、選手の多くがペダリングの抵抗を嫌がるので、1レースしかもたないような最低限のグリス、いわゆる「カラカラ」状態にしてくれというリクエストがままあります。

摩擦や熱の抵抗をしっかり考えると、あまりのカラカラ状態も新たな抵抗になるので、こちらはほどほどですが。

競輪に限っては「マシマシ」の「カラカラ」などと言われてもジロリアンではありません。

大人の待ち時間

こんにちは、工場です。

クリックひとつで翌日に欲しいものが届く生活をしていますと、「待つ」ということがなかなかできなくなってしまいます。

工場で作るオーダーフレームは、混んでいたときには納期が1年近かったことがありました。他メーカー(ビルダー)も、1年以上待たさせることはそう珍しくありません。

現在はそこまでの納期の長さは解消されました。注文を受け、なんとかやりくりを計算してドヤ顔で「2ヶ月です!」と申し上げますと、オーダー車が初めての方の多くは「え?そんなにかかるんですか?」と驚かれます。

これで最速の部類なんですけど…。まあ、そう感じてしまいますよね。

待っている間にパーツはどうしようとか、その待ち時間も楽しんでいただけましたら、いかにも大人の趣味という感じがするかと思うのですが。いや、決して納期に対する言い訳ではありません。

さて、いいお天気に誘われ京都の国立博物館で催されています「国宝展」に出かけました。

先日インチキ国宝となりました私としては、本物を見なくては…。

DSC_2260 本当にいいお天気です。

DSC_2262 旧館ではなく、こちらの新館で開催されています。

今はチケットレスで、スマホ提示で入場できるので楽です。

ところが一歩中に入りますと…。なんとあまりの人の多さに入場制限がかかり、入館まで1時間弱とのこと。ひとりのため、誰かと話をして時間をつぶすこともできず、いきなりの苦行の始まりです。

無事にやっと中に入りましたら、超絶牛歩の状態です。さらに今度は、今回の目玉「金印」を見るのにまたしても待ち時間が1時間弱と!ちなみに平日の昼間です。

入館後はスマホも使用禁止なので、本当にひたすら待つのみです。世の中の人はこんなにも国宝に興味があるのか!と、ミーハー気分で来た私は愕然としました。

ですが、教科書で見ただけしかないそれらの美術品は、本物の存在感と迫力があり、待った甲斐があったと思わせてくれました。

私も、オーダー主の方に待った価値があったと思っていただけるようなフレームづくりを目指したいと思います。

ところで付属のミュージアムショップで金印の実物大スタンプが売っていたので、思わず買ってしまいました。一応国宝に対してこういったものを平気で作る日本人の感性は、本当に畏れを知らないスゴイ民族だと感心しました。

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その当時の国王も、遠い未来にゴム印でバンバン捺して遊ばれるアイテムになるとは思わなかったでしょうね(笑)ちなみにこれは待たなくても買えましたよ。

京都は来週あたりから紅葉のピークとか。汗冷え対策をしてお出かけ下さい。

申し訳ございません!

こんにちは、工場です。

本日11月8日に放送予定とお伝えしておりました、関西テレビの「よ~いどん」ですが、どうも来週のようです…。

直接電話をいただいて8日と言われたのですが、本日は「前編」で来週が「後編」、その後編に出るようです。

ただ来週の予告編の時にも、まったく映像として出てきませんでしたので、一抹の不安が残りますが…。

見ていてくださった方、本当に申し訳ございません!来週の15日こそ必ずだと思います。(製作会社に問い合わせのメールを出したのですが、返信がないのではっきりと言い切れないところが悲しいですが)

あちらこちらにご迷惑をおかけしてすみません。どうぞあと1週間お待ちください(陳謝)

ラグを削るということ

こんにちは、工場です。

いかにもビルダーっぽいタイトルです。

クロモリフレームの特徴のひとつに、ラグワークというものがあります。

特に日本はロウ付けのきれいさ、ラグの削りの繊細さに、工業製品というより工芸品的なものを求める方が多いです。

ロウ付けが終わった後に削るのではとてもしんどいので、その前に削ることが多いのですが、そうすると熱の伝わりが速く、ロウ付けの高い技術が必要です。

例えばフォーククラウンではこうです。

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並んでいるものは右が削ったものです。明らかに薄さが違うのがおわかりでしょうか?上下になっているものは下が削ったものです。上が平面的なものに対して、下は立体的かと思います。

これがBBになるともっとわかりやすいでしょうか。

DSC_2210 左が削ったものです。

「ベロ」部分もひとまわり小さくしています。

実はこのラグ削り、見た目が美しくなるという以外に落車したり乗り上げたりしたときに、ラグにかかる力が分散してパイプにシワが出にくいというメリットもあります。

ただし、パイプの差し替えなどでは、その薄さゆえにヒゲが燃えてしまったりヒビが入りやすいのでそこはデメリットです。

DSC_2211 左のフィンはいかにもすぐ燃えそうです。

はっきり言ってNJSの競輪ビルダーは、みなさんとてもハイレベルです。

工業製品でありながら、ある意味工芸品としても成りうるクロモリフレーム、ただ薄いだけではなく、立体的でバランスが良い、そんなことを気にしながらご覧いただけたらまた違う楽しみがあるかと思います。

けっこう時間がかかるんですよ、これ。

そもそも「オーダー」って?

こんにちは、工場です。

プロではない一般の方とお話をすると、ちょっと気になることが時々あります。

それは、「いやぁ~いつかはオーダーフレーム作りたいんですよね~。身体にぴったり合ったものなら乗りやすいんでしょうね~」と、言われることです。

確かにそうなのですが、「オーダー」部分に少し誤解がある気がします。

例えばオーダースーツは、身体の主要部分を測って作るので、確かに既製品よりフィット感はあるかと思います。

ですが、それはあくまで「通常の事務作業」をしているときに感じているもので、寝坊して駅の階段を一段とばしでかけあがることや、会社帰りにバッティングセンターでスカッとすることや、骨折してギプスでかためられて脚が2倍の太さになることは、あまり想定していないと思います。

極端な表現をすると、自転車のフレームも「身体に合わせる」だけでしたら、スーツでいう「通常の事務作業」ぐらいしか想定しないパフォーマンスになると思います。

身体に合わせただけで、何でもできる夢の乗り物が出てくるワケではありません。(もちろん合わないものよりパフォーマンスは高いですが)

オーダー、つまり「注文」するのは身体の寸法だけではなく、ご自身の欲求と欲望なんです。

長距離が苦手なのを克服したい、下りはブレーキをにぎりっぱなしにするのを改善したい、昔やった腰痛が気になって楽しめないなどなど、様々な欲求に沿って作るのがオーダーフレームなんです。

なので、作ったらおしまい、ではなく、そこからが長いおつきあいとなります。

オーダーフレームは、達観した自転車乗りが無欲の果てに身体に合わせて求めるものではなく、まだまだ煩悩の海をひたすらあがく人にこそ試していただきたい世界です。

プロが「1着をとりたい」という欲求を永遠にフレームにぶつけてくるように、欲深いことは自転車においては罪にはなりません。(合掌)

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