勝負服

こんにちは、工場です。

夢の中の話です。なぜか私が選手で、間違えた車番の服を着てしまい、発送台の上で「しまった!番号が違う!」と焦る夢をみました。

実際にはあり得ない話ですけどね。

公営ギャンブルは、白が1番など色が統一されていますので、この色分けは競輪だけではありません。

ただ競輪は、俗に「ヨーロッパ」と言われる4,6,8の番号をそのレースの中で競走得点が低い(いわゆる弱い)選手に割り当てます。他の世界を知らないので、これが競輪独自の慣習かはわかりません。

もし競走が荒れて、この4,6,8が3着以内にきますと、なかなかの高配当になります。

ある時、競輪場でハズレたおじさんが、「アカンわ!桃色(8番車)来たら!嗚呼~!」と崩れ落ちていました。この4,6,8は、穴党でない限り、あまり買われることはないようです。

さてこの勝負服は、基本貸し出しですが、買い取ることもできますし、スポンサーがついている人などは、スポンサー名が入った自分だけのものを着ています。

ガンウェルのフレームを使ってくださっていて引退する選手が、ラストランで着ていたものを記念にくださることが時々あります。

女性の私が決して着ることはない、男子競輪の勝負服。

選手の意地とプライドと努力と、様々なものがつまったものは、やはり重みがあります。

京都は連日地獄の暑さですが、これを見て元気をもらって頑張ろうと思います。

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どうにもならないこと

こんにちは、工場です。

東北の豪雪地帯では、地吹雪ツアーなるものがあるようです。わざわざ過酷なものを体験することは、ゆるい?日常のありがたみを感じるそうです。

それならば、どうぞ京都の酷暑もご体験いただきたいです。朝は目覚まし時計がなくても、クマゼミの大音量で起きられますよ。

あまりの暑さに、朝起きたら秋になっていないかな…などと思いますが、こればかりはどうにもなりません。

さて、どうにもならないことは数多くありますが、身長もそのひとつです。

私は154センチですので、成人女性としては小さいです。

おかげで既製品では苦労の連続です。自転車も、そもそも好きでオーダーフレームを注文したのではなく、サイズがないので仕方なくオーダー車だったのです。

ところがそのオーダー車でも、海外パイプを使用するのは難しかったです。

なぜかと申しますと、国産と海外産ではバテッドの量が違うのです。

DSC_1956 見づらくてすみません。

これはトップチューブのバテッドの長さを書いたものです。

右側のバテッド部分が長い方(シートチューブ側)から切るのですが、左側部分(ヘッドチューブ側)をそのまま残すとすると、トップチューブが530で、もう海外産はバテッドが消滅します。

トップチューブ長500の私が、コロンブスのパイプを使おうとしたら、左右両方から切っていっても、なんと両端10ミリしかバテッドが残りません。

例えば0.8-0.5-0.8という一般的なパイプでも、両端の0.8部分が10ミリしか残らず、0.5部分が多い「軽量フレーム」となってしまいます。

私のようなサイズを想定していないのでしょう、イタリア人は。

トップチューブが550の人と、私のようなサイズの人とでは、同じパイプを使っても、当然その使用した感触は変わります。

私がよく申し上げます「自転車に関しては、他人の意見は話3割程度で」というのは、体格も筋肉量も運動神経も性格も違う他人が感じた印象は、同じものでもまったく違うものになる、と思っているからです。

このように、どうにもならないことを受け入れていくことで、人は成長するらしいですが、京都の暑さに関しては成長しなくていいので、早く秋になってほしいです。

塗れぬなら、巻いてしまおう、フレームを

こんにちは、工場です。

塗料の質などが向上し、今までなら出せないような色でも、最近では塗ることができるようになりました。

私の知人は、ある調味料メーカーに勤めているのですが、マツタケだろうがウナギだろうが「出せない味はない」と豪語していました。

塗装もある意味「出せない色はない」ぐらいになっています。

それでもどうにも…というものがあります。

メッキもそのひとつですが、メッキ調塗料といっても、やはり本物にはかないません。そして、そのメッキを活かした透過色のピカピカ状態も大変です。

上から最終的に塗るクリアには、色つきのものがあるので、それをメッキの上に塗りますと、ピカピカで透明感がある状態になりますが、素人目には「ん?メタリック?」という色もあります。

なので、メッキの上に有色フィルムをはるのが、一番効果的です。

DSC_1949 このように。

メッキを想定したシートにフィルムをはったものです。

奥の筒状の見本のピカピカ具合、伝わりますでしょうか?

DSC_1950 何か映りこんだ方がわかりやすいですかね?

この透明感はフィルムならではです。

何年か前のサイクルモードで、オールメッキのフレームに透明ピンクのチェックのフィルムをはって出展したことがあります。

職人さんが本当にきれいにはってくれたため、お客さんはフィルムか塗装かわからず、ずいぶんと質問を受けました。

自転車ではなく、電車やバスなど他の車両でも「ラッピング」は色々可能性を拡げてくれていると思います。

どうにも塗れない色をご希望でしたら、フィルムというテもありますよ。

日本はステキ

こんにちは、工場です。

クマゼミたちのパワーにおされ、早くも夏バテです。

さて、先日受けた選手からのオーダーのハンガー下がりは60.5ミリでした。60ではイマイチ、でも61ではひっかかる、その結果60.5となったらしいです。

気持ちはわかりますが、これぞ日本人の細かさですね。ある外国人選手に、フレームのハンガー下がりを聞きましたら「与えられたフレームだし、知らない」とのこと。

まあそれは極端にしても、日本人はよく「生真面目で細かすぎる」と言われます。

ところがその反面、とてつもなくおおらかというか、テキトーな部分もあります。その混在するバランスが極端すぎて、私も日本人ですがびっくりする時があります。

用事がありまして、ある地方に行ったのですが、そこの公共駐車場に…

DSC_1924 こんな看板が。

ちなみにこの看板、この一箇所だけではなくあちこちにあります。ええっ!?と思って、駐車してある車両をチェックしてまわりますと…切れているどころか、そもそも通した形跡さえないような車両も…

給油ノズルもこの通りの廃品利用。

DSC_1931 よくできています。いかにも生活に密着しています。

この場所には1時間半ほどいまして、その間に何台ものバイクを見ましたが、ヘルメットをかぶっている人は見事に一人もいませんでした。

おおらかを通り越した無法地帯。これも同じ日本のことです。

フレームづくりをはじめ、ものづくりは、細かいだけではなく、大胆でかつ繊細な人ほど向いていると言われます。

大胆だけでもダメ、繊細だけでもダメ。日本人がものづくりに合っているのが、ここへ来て少しだけ見えた気がしました。

ちなみに私も大胆で繊細な?O型です、と、ものづくりに向いていることを最後にアピールしておきます。

足長おじさん?

こんにちは、工場です。

7月になったとたんにこの暑さ。ロウ付けするのにも覚悟を決めてからかからないと、途中で絶命しそうです。

さて、本日私宛にこんなアマゾンの箱が…

DSC_1919 パントリー?

ん?何も頼んだ憶えはないですが…?開けてみると…

DSC_1921 夏の定番、カルピスです!

ですが、送り主の名前もありません。ネットショッピングでうっかりぽちった私でもありません。

このとんでもない暑さの中、火を扱う私を励ましてくださったのでしょうか?

足長おじさんかタイガーマスクかわかりませんが、とにかくどなたかの善意であることは間違いありません。

せめて一言御礼を申し上げたいのですが…

もしこのブログをお読みなら、是非ご連絡を!

特別優待と言われても…

こんにちは、工場です。

昨日セミの鳴き声を聞きまして、いよいよ地獄の季節の幕開けです。

精神鍛錬ができている人なら、春夏秋冬さわぐことはないのでしょうが、私のように超絶未完成人間は、暑いだの寒いだのと不平不満たらたらです。

京都という土地柄か、この時期、近所のお寺さんではあちこちで「早朝座禅会」の看板をよく見かけます。そもそもそこに参加しようと思うことで、すでに立派な志かと思います。

さて競輪選手は、競走中に違反をある程度してしまいますと、そのペナルティとして1週間弱のお寺での修行をしなければなりません。

俗に「お寺行き」と言われ、自転車の練習も外部との接触もできないなかなか厳しい処置です。

どの県の選手も皆、京都の宇治市にあります、萬福寺というお寺さんに行きます。

いんげんまめの名前の由来となりました、隠元さんという高僧が開祖の歴史ある由緒正しいお寺さんです。

ご興味ある方は調べていただくと、色々情報が出てきますが、なかなかアクティブなお寺さんで、選手のこらしめ?の他にもさまざまなイベントがあります。

ある情報誌には、こんな割引情報が…

DSC_1906 写経会の案内です。

煩悩の炎に包まれている私などは、参加してその身を省みないといけないかもしれません。

それにしても、どんなに特別優待と言われても、こればかりは選手に見せても乗り気にはならないでしょうね。

これからの暑い季節、皆様どうぞ精神も体調も整えて臨まれますように(合掌)

本当の安全って?

こんにちは、工場です。

え~?そんなのおかしくな~い?という法律のヌケが時々あります。

私は趣味で古い車に乗ることが多いのですが、シートベルト設置が義務付けられた1969年より前のものに乗っているときは、その使用義務はありません。

そもそも最初からついていないのですから、やりようがありませんが、本当の安全ということを考えますとなんか変な気がします。

警察もわかっていますので、あまり止められることはありません。それでも時々止められますが、説明をすれば切符をきられることはありません。

今はどうかわかりませんが、同じような理由で、方向指示器もなくて大丈夫でした。ただこちらは、現実問題としてかなり危ないので、自主的につけましたが。

自転車の世界も、色々なことが義務化されて久しいです。

そのひとつが、フロントフォークのエンドにある「車輪脱落防止」でしょうか。

昔からのユーザーには不評で、勝手に削ってしまう人が後を絶ちません。

特にクロモリの世界では、マニアが多いので、そんな素人くさいもんイヤダ、という声が多いです。これが素人くさいかどうかは別にして、工場でもつけないできました。

古い車と同じく、そもそもオーダー主が希望するエンドは、脱落防止うんぬんを言われるよりはるか昔のものなので、もしやるとしたら「後づけ」になります。

ですが、昨年より「京都工場のものを よりみなさんへ」ということで、オーダーフレームとは別に、手ごろな価格のモデルをつくり始めました。

これは、どれほどのスキルの方が乗られるのかわかりません。ひょっとするとファーストバイクかもしれません。

なので部材も、マニアックなエンドから脱落防止のものに変更です。

DSC_1905 DSC_1904

先っぽにあるポチッとしたものがおわかりいただけますでしょうか。

私が自転車に乗り始めた頃は、今ではほぼ常識のヘルメットでさえ、「素人くさい」と笑われたものでした。では「玄人」とはなんだ?と思いますが。

ですが、今ではスポーツバイクユーザーの多くが使用されています。スポーツバイクが出すスピードなどを考えると、耳まで覆われていないのは、まだまだ不十分な気がしますが。

とにかく、周りに迷惑をかけず、安全に楽しむスマートさこそ、大人の趣味ですよね。

GAZZETTA→GANWELL

こんにちは、工場です。

私の事務処理をする机の真後ろにこのようなものが…

DSC_1879 チネリのクロモリピスト、GAZZETTAです。

すみません、こんな駅前駐輪場的な画像で。

カタログとちょっと違う雰囲気がします。

DSC_1885 とても教科書的な寸法。

以前ご紹介したマッシュモデルとは違って、まったくクセがない感じです。

DSC_1880 ヘッドマークも「ザ・伝統」の雰囲気を出しています。

DSC_1882 このGAZZETTAの字体も、外車~な感じです。

DSC_1881 おなじみコロンブスのパイプはクロモールというものです。

これが日本車で、ここに「クロモリ」とか「クロムモリブデン」と貼ってあったら誰が買うでしょうか。

恐るべし外車マジック。

さて、このパイプ、ganwellでも使います。ネタばらし?をしますとこんなパイプです。

DSC_1884 よくある0.9-0.6の肉厚です。

国産ならタンゲの№2とかカイセイ(イシワタ)の022とか言われるものです。とてもスタンダードです。

私は常日頃からよく申し上げているのですが、決して「海外パイプのほうがいい」はないです。本当に人によって合う・合わないなので、「俺のコロンブスのパイプだし、めっちゃ走るぜ~」と単純にはいきません。人というエンジンあってのフレームです。

では、自分がどちらのタイプかを知るには?

それはビルダーにおまかせください。しっかりジャストなパイプを選びますから!

ご納得いくまでの徹底した話し合い。豊富な選択肢の提示。オーダーフレームの価格には、そのコミュニケーションの深さも入っています。ただフレームを作るだけなら、こんな価格にはなりません。

以上、チネリにかこつけたganwellの宣伝でした。

 

熱×暑さ

こんにちは、工場です。

熱の伝導効率がいい銅管をボンベタイプのガスバーナーであぶって、手作りの棚を作るのがはやっていると知人から聞きました。銅は鍋などにも使われるのですから、確かに伝導効率はいいでしょうね。

1497592595110 こんな感じだそうです。(途中経過)

残念ながらフレームづくりは、そうしたバーナー程度ですと仮付けぐらいしかできません。たまにツワモノがいらして、ネットにアップされていたりしますが。

NJSのフレームビルダーはプロパンガス派とアセチレンガス派とに分かれますが、どちらも真鍮ロウでつけるなら、1000度近くまで熱します。

DSC_1863 ちなみにガンウェルはアセチレンです。

左の黒いのは酸素です。そうです、ガスだけでは燃えません。

1000度近くまで熱するわけですから、この炎の反射熱というのもかなりなものです。顔の皮膚がパリッパリになります。

私の顔にできた小ジワは、加齢ではなく労災だと思っています。

今年は「スーパー猛暑」という、なんだかもう絶望的な感じがする気温になるらしいです。昨日も京都は真夏日……。この反射熱に暑さ…早くもぐったりです。

そんな状態でいますと、公園に親近感をおぼえる遊具が…。

DSC_1852 ぐったりなバナナです。

DSC_1851 全体像がこちらです。

どれも微妙に座りにくいし、遊び方もよくわかりません。目にした時、思わずふきだしてしまいましたが、何が目的の遊具なんでしょうか。そもそもこれは遊具なんでしょうかね?こんな不明な物体に税金が…いやいや、子供にとっては深い意味があるのかもしれません。

みなさまもお体には十分お気をつけください。

現物合わせがイチバン

こんにちは、工場です。

一見「自転車ふう」な私の独り語りばかりしていますと、工場の信用にも関係してきますので、今日はちゃんとした自転車の話題です。

競輪のトラックレーサー(ピスト)以外のオーダーをいただいた時は、可能な限り使用パーツをお借りするか、事前に使用パーツを決めていただくことがほとんどです。

特にツーリング車など、パーツ点数が多いものはキャリアも含めお借りします。

以前、「乗った時、泥除けからタイヤが7ミリ見えるように作ってほしい」というツーリング車のオーダーを受けました。そんな恐ろしいオーダーは、タイヤまでお借りしませんと、メーカーによっては「乗らない状態で7ミリでも、乗ったら6ミリになった」という事態になりかねないのです。

なので、現物合わせに勝るものはありません。

始めに「競輪のピスト以外は」と、書きましたが、実は競輪用も現物合わせでチェックすることがひとつだけあります。

DSC_1854 BBをつけた状態のチェーンリングとクランクです。

競輪のフロントは44Tから最高55Tまで使えます。53Tぐらいまでならそれほど問題ないのですが、リヤセンターをツンツンにつめたり、それより大きなギヤを使うと、BBパーツによってはチェーンステーに干渉することがあります。

以前は、苦し紛れにワッシャーを入れている選手もチラホラいましたが、今はそれが禁止となりましたので、タイトな寸法は気を遣います。

DSC_1855 このように事前に入れてチェックします。

選手の方もわかっていらっしゃるようで、「55T使うからお願いします」と、事前に言われることもあります。

生地の状態ではOKでも、塗装の塗膜が厚くなるフレームは、あとから「えっ!」となることもあるので、きちんと余裕を持たせないとなりません。

ビルダーというと、図面上の数字と計算でチャッチャと作るようなイメージがありますが、最後の最後は現物合わせで地味にやっていたりするのです。