寸法の話⑦ 最終回

こんにちは、工場です。

大阪の富田林から逃走した犯人が山口県で捕まったとか。クロスバイクで大阪→愛媛→山口と、その距離を移動したことに、不謹慎ながら「やるなぁ」と感心しました。

犯人は身長163センチと男性としては小柄です。ですが自転車の画像を確認する限りでは、見当はずれのフレームサイズではありません。盗難車でよくこんなぴったりしたものを…と、思いました。

あれがロードバイクでしたらもう少しサイズがシビアになるので、クロスバイクは正解だったのでしょう。まぁ盗んだものに正解も何もありませんが。

さて、最終回はフレームサイズです。ここまで闇雲に書いていたわけではなく、実は私がフレームを作る時に考える考え方として、一応順を追っていました。

骨格的にどうしようもない骨盤角度や腕の長さなどは最初に決め、筋肉量にあわせて他を決め、という具合の流れです。

股下もどうにもならない骨格の部分ですが、1ミリ単位でこだわるプロをのぞき、割りと大雑把に考えても良いと私は思っています。いや、プロでも1ミリ単位でこだわらない人もいます。

実際、既製品ですとかなり幅があるものも多いです。ハンガー下がりの5ミリ違いはかなり大きいですが、それと比べてシートチューブの5ミリの差なんて、誤解を恐れずに言えば大したことはないです。

以前私は、出勤時と帰宅時でサドル高を3ミリ変えていました。仕事帰りにはむくむので、出勤時と同じサドルの高さでは違和感があるのです。でももちろんフレームを変えたりしているのではなく、同じ自転車の話です。

そのように多少でしたらサドルの調整で何とかなってしまうのです。

股下の測り方はネットなどにたくさん出ていますのでここでは割愛しますが、その数字は他の部分を考えるときに活用する数字、という程度で良いと思います。

それよりも気になるのは、世の中のかなり多くの人がサドルを上げすぎだということです。ペダルが一番下にきたときに脚が伸びきってしまって、かかとを下げられないほどでしたらサドルの高さを見直すべきでしょう。

フレームサイズが合っていても、そうした乗り方では腰やヒザを悪くしてしまいます。

最終回は随分とゆるい内容に思われるかもしれませんが、自転車は最初から細かい数字を追ってばかりより、まずはだいたいのところで乗ってみる、そしてスキルをあげることが本当の「フレームサイズ」に近づく道だと感じています。

そして迷ったときには、専門家に聞いてください。

富田林から400キロも走ったあの犯人は、あの自転車を見る限り、究極の環境の中で誰にも教わらなくても速く遠くに走れるジャストサイズを探れていたのかもしれません。

チャンスはないでしょうが、是非聞いてみたいですね。

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