こんにちは、工場です。
今年の次々と日本を襲う災害は、本当に憂うものばかりです。京都の台風を気遣ってくれた函館の私の友人が、今は停電の中で余震と戦っています。
お店も、裏の電柱は折れるし屋根はひしゃげるしと、被害が出ました。
そんな時に不謹慎!などと言われそうですが、憂いてばかりいても仕方ありません。次に向かってアクションです。
ということで、ヘッド角のお話にいきましょう。
昔ある先輩ビルダーに「女性のフレームを作る時に気を遣うことは?」と、尋ねたところ、
「女なんてさ~筋肉ないんだしさ~、シート角立ててヘッド角寝かしてトップチューブ短くしときゃーいーんだよ」
と、言われました。かなり雑な回答に当時はちょっとムッときましたが、まぁ確かに一理ありますね。
いわゆるママチャリと呼ばれる一般車を見れば、確かにヘッドは寝ていますね。ヘッドは立てるほど筋肉が必要となります。
手元にありますブリジストンのスポーツ車寸法一覧表で見ますと、70.5~73.5度で収まっています。よりレーシーな競輪の世界ですと74~75度が最多な層という感触です。
さて、ではこちらの選手はどうでしょう?
今はこうした寸法は「違反フレーム」扱いなので、古いものを出してきました。
なぜ「違反」なのか? 答えは簡単です。危ないからです。左のフレームのヘッド角は75.5度、右にいたりましては76度です。
正直プロでも、75度を超えてきますと特殊な感じがします。75.5度以上になりますと、車体を抑えきれずに落車する確率がぐっと上がります。それなりの筋肉と乗り方が必要となるのです。
ましてやこのフレームは、ハンガー下がりもかなりな数字ですし、シート角も立っています。不安定なことこの上なし、です。
余談ですが、海外選手ですとヘッド角を立ててシート角を寝かせるという人が結構います。ヘッド角は75度で、シート角は73度とか。日本の「常識」とは逆の数字です。やはり彼らの筋肉量と体格ゆえに可能なことでしょう。
一般的に「女性用」フレームといって販売されているフレームは、だいたいヘッド角が寝ていて、ハンガー下がりが上がっているものが多いです。
前述の私の先輩ビルダーが言った言葉通りのフレームです。もしより楽チンな自転車をお探しでしたら、男性でも女性用に乗られたら良いと思います。(寸法ではなく、素材の違いで差別化をしているものもあるので、必ずしも女性用=寝ているではありませんが)
逆に走りに自信が出てこられた女性なら、女性用では物足りなく感じるものもありますので、ヘッド角、シート角、ハンガー下がりに気をつけて選んでくださいね。
さて、次回はフロントセンターです。