隠す美学

こんにちは、工場です。

立秋をあざ笑うかのような暑さが続いておりますが、お元気でいらっしゃいますか?

さて、用事がありまして京都駅に行きましたら、どこ行きか知りませんがこんな列車が…

恐らく甲賀(滋賀)か伊賀(三重)に行くのでしょうね。

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「忍び電車」というみたいです。ニンジャの隣にあるクハなんとかという列車識別番号も、何やら別の意味がありげに見えます。

DSC_2008 まったく忍んでないハデさです。

「弱冷車」プレートや「開閉スイッチ」(田舎や寒冷地は自分たちで扉を開け閉めします)という電車本来の機能のほうが埋もれてしまって、よっぽど影の存在であることを余儀なくされています。

忍者は今ではなぜか堂々と市民権を得ていますが、日本には昔より、隠すことや「裏方」をひっそり愛でる文化がありますよね。

着物の裏地に凝ったり、死語でしょうが女性の奥ゆかしさでしたり、「表に出さない美学」というものがありました。

クロモリの世界でも、いまだに根強い人気が「内蔵工作」です。

最新のカーボンフレームでは当たり前のようになっていますが、クロモリの世界では「ワンランク上の凝ったつくり」のイメージが強いです。

ですがこの工作、実は物理的にフレームにはあまり良くないのです。

DSC_2045 これがフタです。

フタが小さくても大きくても、かなりの「大穴」をフレームに開けることになります。そうしないと組みつけのときに大変だからです。

あまりにギリギリなことをすれば、ケーブルに無理がかかり、最悪「常にブレーキがかかった状態」を作り出しかねません。

中のケーブルの「通り道」も、何もしない方もいますが、ストローのような鉄製リードをつけるビルダーも多いです。このリードが、内蔵工作で一番多いトラブルの固着の犯人です。

こまめな手入れをしていただければ問題ないのですが、そうではないとケーブルとこのリードが、あっという間に固着してしまいます。

「表に出さない美学」だったはずが、もっともやっかいな存在となって表出することとなります。

白鳥の水面下の努力ではありませんが、美しく隠すためにはこまめな手入れなど、影の見えない努力をすることが大切なんですね。

ちなみに私は、自分のプライベート自転車に内蔵工作はしないです。そのぐらいフレームに負担がかかる工作なのです。まぁ面倒だというのもありますが…。

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